事変

未来で会えるよ

彼が「ヒーロー」を卒業する日

 

 多和田秀弥くんが追加戦士として手裏剣戦隊ニンニンジャーに出演すると発表された日から1年と少し経った今日4月24日、ニンニンジャーのファイナルライブツアーが彼の地元大阪で大千秋楽を迎えた。まだVシネやらもろもろ残っているけれど、今日でニンニンジャーとしての活動はひとまずおしまいです。

 この1年間、彼を見るために数は多くないけれどいくつか戦隊の現場に行った。戦隊の現場に行くということが私にとっては人生で初めての出来事で、周りにちびっ子と保護者の方ばかり…という状況に最初は困惑したけれど、今ではそれすらも楽しみのひとつになった。ちびっ子のために戦うヒーローは大人の私から見てもとってもかっこいいのだ。それをきちんと自分の目で見て知ることができるということだけで行って良かったなあと思えるくらい戦隊の現場は面白かった。

 ニンニンジャーとしての秀弥くんを追いかけていると、今まで知らなかった一面やこの1年での変化に気づかされる。テニミュでは周りのキャストもほぼ同年代で本当の部活のように過ごしてきた。その後彼の出演した新幕末純情伝では周りが年上ばかりで、芸歴も短く若い彼は完全に末っ子ポジションだった。それがニンニンジャーでは最年長且つ他メンバーより少しだけ役者として舞台に立つ経験が豊富だったからか、それともちびっ子たちのヒーローとして舞台に立っている自覚からか、頼もしいお兄さんのポジションでいることが多かったような気がする。レッドとしてセンターに立っている西川くんを立てることを考えてかあまり出しゃばることはなかったけれど、それでもさりげなくサポートに入る姿を見かけ「しっかりしてるなあ」と思うことも幾度かあった。そのほかにも、今まで彼の出演する舞台の会場でよく耳にしていた「たわちゃんが〜」「多和田くんが〜」という彼の名前を聞くことがこの1年で格段に少なくなった。それは彼のファンが減ったわけでもなんでもなくて、代わりに「キンちゃんが〜」「スターニンジャーが〜」という名前で呼ばれることが増えたのだ。小さな変化だけれど、そういうことに新鮮さを感じながら1年間彼の姿を見続けてきた。ヒーローとして相応しい変化だと思った。

 しかし共演者が変わろうと客層が変わろうと、彼の役者としての本質は変わらなかった。彼はまっすぐ、目の前のことを見つめているだけだった。ダンスが大好きで少しでも踊れるタイミングがあると嬉しそうに体を動かしているところ、客席からの声援に嬉しそうに目を細めて笑う姿や気が緩んだ時に少し猫背になるところ、気が張っている時には出ない関西弁が仲間と喋る時には少し出てしまうようなそんな些細なことまで、昔から何ひとつ変わっていないのだ。そして私はそれを「変わらないなあ」と思いながらステージを見つめるのが好きだった。FLTの最後の挨拶で秀弥くんは「辛い時はファンの皆さんの顔が思い浮かんで…」と声を震わせて泣いていた。そんな彼の姿に、今日も「変わらないなあ」と思った。これ以上ファンとして幸せなことはない、と私はその感情をかみしめて泣いた。

 

 約2年半前の11月、私は彼に青いペンライトを向けていた。そんな私が今日、彼のためにオレンジのペンライトを持って客席に座った。

 以前、チームの部長として彼は「会いに行く価値のある青学になる」という目標を掲げていた。そんな彼は今、「会いに行く価値のある俳優」になってくれた。

 変化はあれど、本質はいつまでも変わらない。

 

 優しくていろんな人の気持ちを考えながら生きている秀弥くんを見ると「私も人に優しくしよう」と改めて自分の生き方について考えさせられるのだけれど、そういう存在こそがヒーローなんだと今日私は彼の姿を見て確信したのだった。

 今日も彼は変わらずヒーローだった。そして明日も変わらずヒーローだと思う。FLTが千秋楽を迎えても、ニンニンジャーのお仕事が終わっても、彼がヒーローを卒業する日が来ることはないだろう。

 

 多和田秀弥くん含め手裏剣戦隊ニンニンジャーに携わった皆様、約1年半本当にお疲れ様でした。また笑顔の6人に会える日を楽しみにしています。その日までさようなら。