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事変

未来で会えるよ

不動峰公演が終わる前に

 

まだ寒くて寒くて仕方のなかった真冬の東京で始まったテニミュ3rdシーズンの初演である不動峰公演も、今週末に大千秋楽を迎えようとしている。先日、プレビュー公演初日のために上京したときに厚手のタイツ一枚では耐えきれなくて新しく靴下を買ってしまったことを懐かしく思いながら、薄手のワンピースでメルパルク大阪に向かった。

 

 大阪初日、開演前に会場を見渡すと2階席の後ろの方はがらんとしていた。私の知っているテニミュの会場より確実に客の数は少なかったけれど、決してしんと静まりかえるような冷たい空気ではなく、心地いいと感じるほど期待感の溢れる声であふれていて驚いた。というのも、今思い返すとプレビュー初日の少しピリピリした雰囲気が私にはどうも悪い意味で印象に残っていたみたいだ。これは勝手に私が感じていたことだし、何が悪いということではなく新しいものに触れた時の戸惑いによるものだと思うんだけど、プレビュー初日のTDCはしっかり席も埋まっていたにもかかわらず会場は息がつまるような重さがあった気がする。いつも初日はそうなのかもしれないけれど、純粋にわくわくする楽しい気持ちというよりどちらかというと細かく赤チェックをつけるような、厳しい目を光らせている人がたくさんいて、私もその品定めをするうちの一人になってしまっていたんだと思う。もちろんそれが一概に悪いとは言えないし、そこは人それぞれだなあと感じている。私は先代である7代目青学がほんっとうに大好きなんだけど、だからこそ余計に「今目の前にいる彼らをこれから愛していけるのだろうか」という不安があった。大好きになりたいのになれるかわからないと思いながら楽しいはずのテニミュを見るのが複雑だったんだけど、でもあのメルパルクのあたたかい空気の中で改めてきちんと彼ら自身を見て受け入れることができたとき、素直にホッとした。会場を後にするときに、「プレビューの時はごめんね…」みたいな気持ちになったりもした。

テニミュはこれまで大阪は地方公演の一番最初に回るのが普通だったんだけど、今回は今までと違って地方公演のトリを飾る場所になった。そのために以前より大阪に来るまでの期間が必然的に長くなって、より多くの経験を積むことになる。だからきっと大阪初日のあのあたたかい空気を作り出したのは、彼らの今までのテニミュキャストとしての功績なんだと思う。もちろん単に歌ダンスや演技のスキルが上がっただけでなくキャラクターの解釈を深めることや日替わりネタの面白さ、ベンチワークも驚くほど良い方向に変わって、ミュージカルとしての完成度は日に日に上がっている。けれど私はそれよりも、桁違いに伸びているところは彼らの「テニミュキャスト力」な気がした。自分たちでどんなアピールをすれば好きになってもらえるかを考えて試行錯誤したのか、それとも慣れて自然にできるようになったのかはわからない。けれどプレビュー初日はただ手を振るだけだったアンコール曲で、それぞれいろんな笑顔を振りまきながら一人ひとりの観客と目を合わせる彼らはもう「ミュキャス」の顔をしていた。それは確かに私がよく知っていて、大好きなキラキラだった。その特有のキラキラが徐々にテニミュブログや個人のブログでも滲み出るようになり、テニミュキャストとして自分たちだけが持っているもので堂々と勝負しようとしていることが伝わってきて、私は「もうぜったい大丈夫、愛していけるな〜」とやさしい気持ちになった。

 

今本当に、私はテニミュが楽しくて仕方がない。まだまだ面白いことがいっぱい起きるだろうし、そう思うとわくわくが止まらなくなる。けれどきっと3rdシーズンのフィナーレを迎えるのは8というナンバリングをされた彼らではないし、次の12人を愛せる保証なんてどこにもない。どんな子たちがやってくるか当然だが見当もつかないし、その頃自分がどうなっているのかなんてもっとわからない。それでも私はこのニューウェーブに乗るために、必死にもがいていこうと心に決めた。

 

だから…また一緒に行こうぜ、全国!

 

 

 

「TAWA-EVE」から見据える彼の未来について

 
また1年が始まった。年度始めは1月の年明けよりずっと、日本中に緊張感が走っている気がする。一から関係性を築いたり、新しい環境に馴染むことがあまり得意ではないという理由で私自身春は苦手な季節なのだけれど、今年はそれもなんだか乗り切れそうな予感がしている。

もちろん、今年で大学2回生になる私を取り巻く環境は学年が一つ上がるだけでコースもそのまま、バイトもそのまま、サークルもそのまま…「いや何も変わんないじゃん」と自分で突っ込んでしまいたくなるくらい何も変わらないっていうのもあるけれど、それよりもやっぱり4月5日にあった多和田秀弥くんのファンイベントのおかげだと思っている。むしろそうとしか思えなくなってきているし、そう思いたいのだ!
 
3月、私は大阪で見たい舞台が特になくて、東京に行くのもなんだかなあ…という気分だったこともあり、現場に足を運ぶことを見送っていた。まあそのおかげで3月はひたすら忍耐の日々だった。毎日流れてくるテニミュや他舞台のレポが身に染みる中、私は4月頭に控えている、自分の推しである多和田秀弥くんのイベントに想いを馳せるしかなかったのだ。というわけで私は3月丸々、イベントのことを考えながら日々を過ごしたと言っても過言ではない。と思う。毎日のようにバイトをして、たまに友達と遊んだり実家に帰ったり母親に風邪を移されて寝込んだり貧血で倒れたり思い返せばちょこちょこ事件もあったが、完全に「たわイベまで頑張ろう」精神だった。
 
そんな3月ももうすぐ終わろうとしていた日のこと。
 
この日は父の誕生日であったので、夜0時を超えた時にゆるーく父におめでとうLINEを送ったものの、既読もつかないのでもう寝たんだろうな〜と思いながら、いつものように眠りについた。春休み中、用事のない限り昼過ぎまで寝ている私だけど、何かを察知したのか8時に起きてしまい、朦朧としながらも時間を確認しようとiPhoneを付けるとそこには【父:ありがとう!】という昨夜の返信と【「多和田秀弥オフィシャル…」が更新されました】の文字が。ドキッとした。「え、どうしたの、珍しく更新時間早すぎないか…それともなんか情報解禁か?」…申し訳ないが父からの返信はこの際どうでもよくなっていた。そして恐る恐る開いたその記事は、ニンニンジャーの追加戦士としての出演情報解禁のそれだった。
 
 
 
 
彼自身の嬉しそうな言葉が綴られたその記事は、スタッフからの事務的な情報記事の何倍も、何十倍も嬉しくて、私は一気に目が覚めて胸が熱くなり、ドキドキが収まらなくなった。実はキャスト発表の時に期待していたものの彼の名前はなく、そこからも執念深い私は追加戦士で出てくることを完全に期待していて、それに加えて早バレもあったから驚きはなかったんだけど、それでもやっぱり嬉しくてiPhone片手にニヤニヤしていた。とともに「1年間ダンスも歌も見れないのか〜」と現実を見ると少しさみしくもなり、けれどその分イベントでしっかり目に焼き付けておけよ!ということなんだな、とここで完全に私自身のイベントに対するモチベーションが確立されたのだった。そんなキラキラしたテンションで始まった2015年度に淡い期待を寄せながら、イベント前夜のバイトを急いで終わらせて身支度をし、大阪駅を猛ダッシュで駆け抜けて夜行バスに乗り込んだ。東京に行くときはよく椎名林檎の丸の内サディスティックをBGMにして気分を高めるのだけれど、この日も変わらずその曲を睡眠のお供にした。
 
 
品川プリンスホテルの中にある、クラブexという小さな会場で行われた昼夜2回公演の「TAWA-EVE」は、本当に彼の魅力が詰まりに詰まっているイベントだったように思う。
 
まずOPで、世界的ダンサーで事務所の先輩でもあるTAKAHIRO先生による振り付けのダンスを披露してくれたんだけど、彼のダンスに対する愛と妥協できないプライドが手に取るように分かった。普段のたわちゃんスマイルとも、手塚の時のような堅い表情とも違う、クールにキメた彼の表情はとっても新鮮で、遠くに行っちゃいそうで不安、けれどずっと見ていたい、って思える不思議な感覚だった。ダンス終了後に「かっこいい多和田はここで終わり」っていうテロップが流れて、そこからはひたすらふわふわな普段の多和田秀弥だったのだけれど、それでもわたしにはそこからの彼もかっこよく見えて仕方がなかったのだ。もちろんスタイルが抜群に良くて、顔立ちがはっきりしていて、常ににこにこ笑っている彼がかっこよくないわけがない。それは私も十分痛いくらいにわかっていることだ。けれども、その時私が感じていたかっこよさはそういうものとは全く別のところにあった。
 
それは、【以前ハンバーガーの中に大嫌いなトマトが入っているのに気づかなくて注文してしまい、けれど引き出して残すのはお店の人に申し訳ないから頑張って食べた】というエピソードだったり、【お母さんに「思ってることはちゃんと伝えなさい」って言われたこともあり、小5の時に初恋の相手の家まで押しかけて告白したけれど結局伝えただけで帰ってしまった】という話だったり、決してイベントの台本に書かれているような重要なエピソードではないのだけれど、さらっとなんの迷いもなく語られる彼の生き方は本当に真似できないほど真っ直ぐで素敵で、自分の曲がりくねった生き方が恥ずかしくなるほど美しい。私はここまで心が綺麗な人を見たことがない、とまで思った。それでいて「勇輝と昨日LINEしてた」という発言があったり、仲良しの矢田ちゃんに対してはちょっと当たりが強かったり、「ケータイの待ち受け7代目!」って言ってちらっと見せてくれたり、ちょっとしたサービスもあった。7代目が好きな私にとっては素直に嬉しかったし、他の大多数のお客さんもきっとそうだったと思う。
 
そして昼の部ではニンニンジャーの5人からの色紙、夜の部ではお母さんからの手紙のプレゼントがあり、ここで涙する彼を見ることになった。「もしかしてこれ泣いちゃうかもしれないな」と思ったが、まさかの「秀弥へ。」というまだ内容に全く入ってない段階で彼が目を潤ませるとは思わなかった。顔をぐにゃっと歪ませて「やばい泣いてまう」とMCのれんぺーさんに泣きついた瞬間、またそこに彼の素直さと美しさの真髄を見たような気がした。なんて真っ直ぐなんだろう、と。彼の今までの人生が決して平坦じゃなかったことはマネつぶや彼のブログで幾度か語られていて、私はそれを読んで感動しつつも、なんだかいまいち想像ができなくて、シナリオのある物語を読んだような気になっていた。けれどリアルタイムですべてを見ていた彼の母から語られる言葉はすごく現実味があって、夢物語じゃなくて、けれどとてもあったかくて、聞いているこちらも涙を流さずにはいられなかった。彼の人生は小説の一ページなんかじゃなくて、そこにちゃんと存在していた。そして手紙を読み上げた後、MCのゆきまるさんの「言いたいのは、多和田秀弥を産んでくれてありがとうってことですよ。」という言葉に対して起こった拍手が本当になかなか止まなくて、それがとても心地よくて。後に彼のお母様が会場にいたと知り、その長い拍手とあたたかさを一番伝えたい人があの場にいてくれてよかった、と本気で思った。だってあの空気感は言葉じゃとても伝えられないものだったと思う。そんな優しい空気の中で、彼の「みんなが宝物、そんな宝物をなくさないように、」って定型文のそれじゃなくて、本当にじわっと溢れ出るような言葉がさらに会場を包んでくれた。幸せだと思った。これ以上の幸せはないと思った。こんなに幸せな気持ちになっていいのかなって怖くなりさえした。
 
彼が人生を思い返しながら1曲歌った後、今までの彼の言葉と写真を引用したムービーが会場に流された。生まれたばかりの彼、水泳に打ち込む彼、仕事を始めたばかりの頃の彼、テニミュの仲間と笑いあう彼、新幕末の現場で愛される彼、そしてニンニンジャーに追加された彼。顔立ちがどんどんはっきりして、大人になっていくその姿は私がこれからも見たい彼の姿そのものだった。そして一番最後にはドリライ終了後の吹っ切れたたわちゃんスマイルが画面一杯に映し出されてイベントは終わった。私もその爽やかな笑顔から「この春からまたスタートだよ」というメッセージを受け取り、涙を拭いて会場を後にした。
 
たわイベは本当に幸せしかないイベントだった。私もしばらく引きずったし、TLにもちらほらたわイベロスの人を見かけたのだけれど、それは決して悪い方向ではなくて、「人に優しくしたい」「世界が輝いて見える」というようなプラスのものがとても多かったように思う。そう誰かに思わせることができるところは、彼の最大の魅力なのだ。そして先ほどOPダンスのところで書いた、「遠くに行っちゃいそうで不安、けれどずっと見ていたい、って思える不思議な感覚」は、今の彼を見ている私の気持ちを表してくれている。追加戦士も決まり、たくさんの人の目に触れる機会が増えて、おそらく彼は「テニミュ出身の多和田秀弥」ではなくなる日がくると思う。それはテニミュで彼を知って、テニミュを通してファンになった私からすると寂しいことでもある。けれども寂しさを通り越して、彼の未来を信じて行きたい、信じて行ける、という確信があるのだ。滲み出るきらきら笑顔と天性の人懐っこさを持ち、真っ直ぐ前を見て突き進む彼にとって、戦隊というチャンスを掴んだ今年が勝負の一年になることは確実である。
 
彼の2015年度もまだ始まったばかりだ。
 

 

p.s.普段家族になかなか好きなものの話を出来ない人間なんだけど、今回のイベントの話はするすると出来てそれもとっても幸せでした。